2009年12月21日

著者の分析力を楽しむという幸福

どうも最近、買う本の中に新書が増えてきました。

先日手に取ったのは、

不幸な国の幸福論 (集英社新書 522C)』です。

具体的に「これをすれば幸福になれるよ!」というのではなく、

逆に、



「幸福を定義しようとないこと」
「誰かがした定義をそのまま鵜呑みにしてもいけない」

と著者は勧めています。

なぜなら、「幸福はこういうものだと考えた途端、その定義と自分の状態を引き比べ
何かしらのマイナスを見つけてしまう傾向が私たち人間にはあるから(P115)」
だと言うのです。

そういえば、以前に、妹が、夫婦間のことで、一人で悩んでいた事があったけど、
思い切って、友達にも打ち明けてみたら、「うちもそうよ」と言われて、
なんだ、私だけじゃなかったんだと、悩みが吹っ切れた、と聞いたことがあります。

その時は、自分を悩ませていること自体を、夫婦で話し合うなどして
解決するのではなくて、「人と同じだったら、それでいい。我慢できる」というのが、
私には理解できなかったのですね。

私は、夫と二人暮らしなので、子供さんのいる家族とはあまり
おつきあいがないのですが、子供がいれば、進路や習い事、家族旅行に
海外につれていくかなど、家族としてのライフスタイルを比較してしまう、
ということもあるのかもしれません。

まあ、そういった本のタイトルに対する答え?といったものより、
私が面白いと思ったのは、この答えに導くまでの、著者の分析力でした。

一言ではうまく言えないので、目次の中からいくつか借りてくると、
こんな感じです。(大見出し、小見出し混ざっています)

位置情報 「考えない」習性が生み出す不幸
位置情報 他者を意識しすぎる不幸
位置情報 人目を気にする国民性の背景
位置情報 フランス人は「人と同じ」を恐れて心を病む
位置情報 リッチな国の不幸な国民
位置情報 マッカーサーと韓流スターと日本人気質
位置情報 刷り込まれた「考えない」という習性
位置情報 流され続けた日本人

つまり、いろいろと私たちが不幸になる、もしくは、不幸感をつのらせる
原因をあげ、日本人の気質や国民性といったものが深く影響している、
ということを導き出しているのですね。

そして、本を読み進めていくうちに、

ハート「なるほど。そういう具合に日本人のDNAとして組み込まれていった
  気質というものがあるなら、自分の悩ましい性格の中にも、
  日本人ならではの性分みたいなのが隠れていていて、
  自分以外の人も大なり小なり同じものを抱えているのかもしれないなわーい(嬉しい顔)

と思うようになりました。


 その他に、私の仕事と関連して興味深かったのは、日本人に
他者の評価を意識しがちな人が多い背景を、精神科医の近藤章久氏が
日本の家屋の構造に着目している、とあった点です。

  薄い障子やふすま、板戸によって仕切られていた日本の住居は、
  物音や人声が聞こえやすく、開け放てば隅々まで一目で見わたせる。
  家の中でいつも互いの存在を意識し、視線を感じていれば、
  相手の視線が意味する気持ちや意図に敏感になる。

  その結果、『目は心の窓『目は口ほどにものを言う』という諺が
  あるように、言語でのコミュニケーションを経ず視線(あるいは
  視線をそらすこと)によって互いの精神状態を理解しようとする
  感受性や気質が助長されていった。(以下略)

今では、襖や障子といった建具は減り、鍵つきのドアを備えた部屋に
寝起きする子供もいます。

本の中で、地べたに座ってものを食べたり、電車の中で平気で化粧を
する若者を、周りの人は傍若無人な振る舞いと見る、しかし、
彼らが気にしないのは、彼らにとっては無関係だとみなしている第三者だけで、
友達や仲間うちなど、自分の属する集団では、過剰なほど意識しあい、
空気を読み合い、気を使っているのだということが書かれていました。

結局、先祖代々、日本人ならではの住居の中で培われた気質は、
そう簡単には変わっていないということなのかもしれません。

他にも、「家を選ぶ、家を手に入れる、住みこなす」ということについて、
この本の中に挙がっている日本人ならでは気質の影響を感じることが
いろいろとあったのですが、また次の機会に書きたいと思います。

それにしても、何が幸福といって、このように自分の頭の中では
思い浮かばないこと、考えてもうまくまとまらないようなことを、
スッキリとまとめて、順序だてて解説してもらえるぴかぴか(新しい)ということですね。私の場合。

ただ、著者がいうように、それに甘えて、自分でものごとを考えなくなることや、
人の分析なり、解釈、定義づけを鵜呑みにすることには、
十分に気をつけなくてはなりませんねわーい(嬉しい顔)


さて、今日の記事は…目
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posted by ierou at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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