2010年01月31日

建築することは哲学すること

先の記事で「2月末までに工事お願いします」と言われて、工事の段取りを
考えかけていたものの、その後実は相見積もりだったことが判明、
ということを書きました。

リフォームの見積というのはチラシなどでは「見積もり無料!」と
簡単に書いていますが、実際の見積もり作業は結構大変なものです

今回、相見積もりをとって頂くこと自体は別に構わないのですが、
それを内緒にされていたこと…、いえ、内緒でも別にいいのです、
「工事をお願いしたいのですが」と持ちかけて、私の修正プランと見積書を
受け取りながら、相見積もりをとっていらっしゃったということに、
私はかなりショックを受けました。

というのは、

 <私たちに値段以外で自分たちの優位性をアピールできる明確な強みがない>

ということの現れだと思ったからです。

建築家やインテリアデザイナーの方、また、いわゆる「リフォームの匠」と
称される方なら、その方なりの個性や技術が仕事(作品!?)になんらかの形で反映し、
その方ならではのものを求めるお客様もいらっしゃることでしょう。

また、和のデザインに強いとか、木や漆喰など自然素材にこだわったリフォームなど、
提案にオリジナリティや強みがあれば、それを求められるということもあります。

ハート(私たちのリフォームで、私たちならではの強み、
  アピールポイントってなんだろう…exclamation&question

今まで何度も考え、明確な答えも出ず、ただただ、

ハート「私がプランし、それを職人の夫や、夫が選んだ職人さんたちが
  カタチにする。造り手の顔が見える安心のリフォームが、
  私たちならではのリフォームぴかぴか(新しい)

と認識してきたのです。
(夫が、孫請け、ひ孫請け職人として入る現場では、元請けさんの
 顔も知らず、一度も会わず、ということが多々ありますのであせあせ(飛び散る汗)

それでも、いくら造り手の顔がわかっていても、造り出すものについては、
できるまでわからないし、できたらできたで、
「他のリフォーム業者がプランと工事をしたらこうなっていた」
などと比較することもできないわけですよね。

このあたりがどうにもモヤモヤとしていたのですが、先日、
現場の近くに大型書店を見つけ、空き時間になにかしらのヒントを
本から得ようと思い、覗いてきました。

(私は昔から、悩んだり気持ちが落ち込んだ時には、本の中に
 解決策を求めてきたものです)

インテリアの本、ライフスタイルの本、収納の本、とコーナーごとに
立ち読みをしながら、「建築」の専門図書のコーナーへ。

その中でもいろいろなものを書棚から抜いてはざっと読みながら、
ふと目に留まったのが

 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK―せんだいデザインリーグ〈2008〉

でした。

ハート「デザインリーグexclamation&question 卒業設計の甲子園みたいなものかなわーい(嬉しい顔)

と思い、手にとって見ると、その中には衝撃の出会いが待っていたのですがく〜(落胆した顔)

日本一でなく、「日本二」に選ばれた作品、

 大阪大学 工学部地球総合工学科の斧澤未知子さんという学生さんの、

   「私、私の家、教会、または牢獄」 です。

こちらのサイト(モダン・ダンスク・アーキテクチュア)に、
日本一と日本二を決めるまでの審査の白熱度やその両作品が
紹介されていますので、ぜひ、この右側の作品の画像をクリックして
拡大して見ていただきたいと思います。
ギャラリー・間のサイトにも紹介されています)

この作品の図面と模型、ご本人のプレゼンテーションの全文。
そして、このデザインリーグならではの審査プロセスの公開
(本の中にそのまま記録したものが掲載されています)
を見て、私の中になんともいえないエネルギーが湧いてくるのを感じました。

うまく言葉には言い表せないのですが、この作品は

 「自分ならではの哲学を建築にしているがく〜(落胆した顔)」と思ったのです。

私が建築を教わった先生の言葉で印象的だったものに、

 「建築することは哲学すること」という言葉がありました。

この作品は、予算や工期にしばられず自由な発想を発揮出来る、
卒業設計というものならではこそかもしれませんが、圧倒的な
設計者の存在感を持って哲学を形にしています。

リフォームは、新しく一から形を作るものではなく、既存の骨組みや
素材に左右されるものではありますが、私も今までの工事の経験を
活かして、自分の哲学を形にしてみたい、それを自信を持って
優位性としてアピールしたいと思いました。

最後に、この作品の設計者、斧澤未知子さんのプレゼンテーションの中から、
特に印象的だった言葉を引用します。

 <しかし私は、何かの都合で私の家族がこの家を出て行った時、
  そこに残るのがコンクリートと木だけによる塊であってほしいと
  思うのです。そういう塊になんとか住む、という、
  そういう生き方をしたいと思っているのです。>

この言葉には、上っ面の「エコ」なんていう言葉を寄せ付けない、
自然との共生を感じますし、どこか人間を拒絶するものも感じます。
この作者さんが将来、生み出されるであろう実作品が楽しみです。

ところで、このせんだいデザインリーグシリーズ、全作品の紹介や、
審査のやりとりがすべて載っていてとても面白いので、過去の年度の分も
読みたいと思うのですが2003年からあるのですよね。
順番に集めていくとしますか。

さて、今日の記事は…目
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posted by ierou at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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